▶︎ [コラム]日本の成長戦略~経常黒字の増加に向けて~

 政府は、2012年5月に始まった日本の景気後退局面が、同年11月に終わったと認定している。2012年の第二次安部内閣発足と同時に景気回復は始まったが、それは日銀総裁の黒田東彦氏による徹底的な金融緩和と国債発行による財政支出の拡大によるものであった。

 しかしながら、その政策は日本経済にとって景気回復をもたらす半面、経常収支の黒字幅を大きく減少させるといった負の影響をもたらしたとも考えられている。したがって、今後は、第三の矢である成長戦略として、経常黒字を増加させる手段を検討することが実体経済の成長に必要不可欠である。

 経常収支の黒字幅を増加させるために、貿易収支の改善に着目すると、当然のことであるが輸出額を増やし輸入額を減らす方策を講じるという事に尽きる。現状の貿易赤字の原因を踏まえると、①原燃料費(エネルギーコスト)の節減と②製造業の工場海外移転の抑制という2つの大きな問題を避けて解決を図ることはできない。

 ①については、原子力発電所の全面的な稼働停止に伴い、液化天然ガスなどの火力発電燃料輸入が増加している現状において、いかにしてエネルギーコストの節減を図るかということである。

 平成26年4月11日において、「エネルギー基本計画」が閣議決定されたが、そこにおいて、第一次エネルギー源である地熱、一般水力、原子力、石炭、天然ガス、石油、揚水式水力などを供給の安定性や発電コストの観点から、「ベースロード電源」、「ミドル電源」及び「ピーク電源」の3種類に分類している。これらのエネルギーを適切に組み合わせ、エネルギーの総コストを節減しなければならないが、そのために国産あるいは準国産エネルギーの供給量の増加を第一に考える必要がある。もちろん、それだけで国内の需要を賄うことは不可能であるが、海外からの調達に際しての価格交渉力を高める意味でも早急に対策を講じなければならない。何よりも優先されるのは国民の生命であるから、安全性に最大限配慮しなければならない点については言を俟たない。

 ②に関して、製造業の工場海外移転が行われると当該工場から製品が日本に逆輸入或いは第三国である海外へ輸出されるかのいずれかになり、これが日本の経常収支の悪化を招く原因となっている。基本的には工場海外移転は、人件費の安さ等も関係しているが、考慮すべき点として日本の法人税の実効税率の高さが問題として挙がる。現在、日本国内企業は、35.6%で移転先の諸国の法人税率よりきわめて高い法人税を担っている。安倍政権の目標とする法人税実効税率25%とすれば、製造業の工場海外移転への動きを食い止められると思われる。また、実効税率の軽減は海外企業の日本進出を促す後押しともなる。

 以上

**日本の経常黒字を増加させ、本当の意味での景気回復の早期実現を願う**

木頭会計事務所

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