icon170.gif相続・贈与で得た不動産を売却するときの注意点


 土地・建物を譲渡した場合に売買益が出ると、分離課税といって他の所得とは別に計算して所得税と住民税を納めなければなりません。また、「短期譲渡」と「長期譲渡」では課税額に大きな違いがあることはこれまでもこの欄で取り上げてきました。具体的には、譲渡した年の日において所有期間が年以下のものを短期譲渡、同年以下のものを短期譲渡、同年超のものを長期譲渡といいます。

 譲渡所得への課税は、[売却収入−取得費(購入にかかった費用)+譲渡費用(手数料など)−特別控除額]×税率、となっています。短期譲渡は譲渡益にかかる税率が高いのですが、長期譲渡の場合は税率も低く控除額が多いのが特徴です。

 したがって通常は年超になってから売却するのが節税としてはよいのですが、相続や贈与によって得た不動産を譲渡することになった場合は、通常とは違ったさまざまなケースが考えられ、そのため、現在の税制ではいくつかの点で別の取り扱いをしています。

 まず所有期間については、相続や贈与で得たときから計算するのではなく、被相続人や贈与した人が取得した日から計算できることになっています。

 つぎに取得費については、相続時の時価や相続税評価額ではなく、被相続人や贈与した人の取得価格となります。現在の時価ではなく、あくまで当時かかった額がそのまま適用されるわけです。相続税を計算する際での土地の評価額も関係ありません。

 もうひとつは相続税の一部が取得費に加算されることです。相続した土地を売ると、相続時の相続税と売却時の分離課税の両方がかかることになります。そこで、相続税の申告期限から3年以内に土地を売却した場合は、土地にかかった相続税額のうち譲渡益に達するまでの相続税額を取得費に加算できることにしているのです。

 また、時価より安く不動産を譲り受けるようなケース(時価の2分の未満)では、時価と譲渡価額との差額について譲受人に贈与税が課税され、譲渡損が生じた場合には譲受人については、譲渡損がなかったものとみなされます。

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